プロローグ

普通の少女であり、魔法使いである、霧雨 魔理沙。
彼女はいつものように、紅魔館からパクって借りてきた魔導書で
研究と実験に励んでいた。

そんなある日のこと。
魔理沙は、魔法実験するための材料収集を終え、満面の笑みを浮かべて帰路についていた。

「今日も実験がはかどりそうだぜ。」

しかし、家に着くなり、彼女の笑顔は一瞬にして凍り付いた。
パクって借りて来た魔導書が1冊残らず無くなっていたのだ。
それだけではない。遠出をするときに使うホウキと、八卦炉までもが消え失せていた。

「弱ったな。これじゃ実験ができないぜ。」

空になった本棚を見て溜め息をつく。
これからどうしたものか、と辺りに目をやると、置手紙のようなものが目に留まった。

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本は返してもらうわ。
また来られると厄介だからついでにホウキも没収させてもらうわ。

by パチュリー
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魔導書を取り戻したい魔理沙であったが、ホウキを没収された以上、飛んでいくわけにもいかない。
仕方なく魔理沙は、パチュリーの住む図書館まで歩くことにしたのだった。

***

森の中を進み、ようやく紅魔館まであと少しのところまでやってきた魔理沙。
その目の前にパチュリーが現れる。
盗まれた物もろもろについて文句を言う魔理沙だったが…

「ええ、さぞかし不便でしょうね。
 不便ついでに、ホウキは7つほどにバラバラにさせてもらったわ。」

「!!」

「バラバラになったホウキは、紅魔館の各所に隠してある。
 私のところまで来ても、ホウキは返ってこないわ。
 ホウキのかけらは自力で探すことね。もちろん、邪魔はさせてもらうけど。」

そう言い残して去っていくパチュリー。
ホウキを取り戻すには、紅魔館内をくまなく探すしかないようだ。

「とりあえず、丸腰でも忍び込める場所を探すか。」

ホウキと八卦炉、そして魔導書を取り戻すため、魔理沙は紅魔館へと潜入するのだった…